札幌市は4日、国からの震災がれき受け入れ要請に対して、拒否する回答を大臣宛に送った。
 その理由は、現段階では放射性物質の安全性に関する国や自治体独自の基準が、科学的根拠を示すことができないからとのこと。
 ところが、札幌市の清掃工場の焼却灰から「不検出あるいは1キログラム当たり13~18ベクレルという極めて低い数値しか出ておりません。」とも述べている。つまり、札幌市でも微量ながら焼却灰から放射性物質は検出されている。それでは、その数値が安全だとする根拠はあるのだろうか?
 さらに、「放射性物質が付着しないがれきについては、受け入れに協力をする」と言いながら、自らそれを調べて実施する様子は覗えない。
 また、「被災地では『現地で焼却することも可能だ』という意見も、述べられ始めている」と曖昧な根拠で責任逃れをしようとしているように見受けられる。

 そして、「 私(上田市長)自身が不安を払拭できないでいるこの問題について、市民に受入れをお願いすることはできません。」と・・・受け取り方次第では、首長が科学的根拠を持ち出しながら、一方で感情論で判断しているのか?とも思える表現だ。

最後に環境省の見解は:セシウム濃度が240〜480ベクレル/kg以下の場合、焼却灰の放射性セシウム濃度は8,000ベクレル/kgを下回り、周辺住民はもとより、最も影響を受けやすい埋め立ての作業員であっても、一般公衆の年間線量限度である1ミリシーベルトを下回ります。

 それぞれの自治体には様々な事情があり、受け入れができない自治体が駄目だと言っているのではありません。しかし、札幌市の見解は理解しがたい。