えりも周辺では、近年ゼニガタアザラシによる漁業被害が増加し、その対策として保護管理計画のもとに捕殺を実施することになっていたが、14日えりも町で、環境省が地元漁業関係者や行政関係者に対して捕殺中止の説明を行った。
 先日、長谷川岳参議院議員がゼニガタアザラシの被害とその対策に関して、中国の例を取り上げて絶滅危惧種による被害の漁業補償に関する提言と質問を行い、「 ゼニガタアザラシと漁業の共存を目指して、農水省とも十分 協議をしながら、また何か新しい方法なども検討する」との前向きな答弁をもらったばかりであり、全く”寝耳に水”の方針転換だ。
 環境省の説明では、「一定数の捕獲が被害額減少と連動する確証がないことから中止とした。当面は防除事業を中心に進める並行して個体数調整の効果等を調査する。防除事業は漁組と契約し漁業者に賃金などを支払う。詳しくは秋サケ定置漁までに調整する」となっている。

 漁業者からは、「これまで2年間調査をしてきたのに、なぜ今、急に方針を変えたのか納得がいかない」との不満の声が上がっているという。
 早速、長谷川岳参議院議員に問い合わせ、近々詳しい説明を受けることになっている。