売れっ子芸人の母親が生活保護を受け、週刊紙や国会議員による批判が発端となり謝罪記者会見が行われた。この事がきっかけとなり、報道機関各社が生活保護需給要件や不正需給の事例、さらには国会議員がブログで実名による批判を行ったことに対するプライバシーの問題にまで発展している。
私はかつて生活保護の不正需給の問題について議会で質問したことがあるが、今回のケースで明らかになったように、扶養義務のモラル低下や預貯金などの調査に限界があり、改善には至らなかった苦い経験がある。
今回の一件で生活保護の不正需給や扶養義務のモラルハザードが大きな社会問題となったことで、政府は法改正を行い扶養義務の強化や金融機関からの情報提供を積極的に受ける方針だという。今や生活保護費は国家予算の3.6%にあたる約3兆7千億、不正需給は2万5千件、128億7千万円にものぼっている。
生活保護は、麻生太郎政時代に民主党の派遣切りなど格差社会批判に耐えきれなくなり、若い世代の失業者にまで支給を広げ、さらに鳩山政権で需給決定を容易にした経緯がある。(産経)
政治に限らず、マスコミの追求も甘い。こんなときにこそ「私たちの血税が…」となぜ言わないのだろう。ただし、生活保護は憲法にうたわれているように、生存権により最低限の生活を保証するものだ。国民の権利である。権利を主張することに、なぜプライバシーの問題が提起されなければならないのだろう。