ある新聞のコラムで、天皇陛下が国の財政事情が逼迫する中で、莫大な費用の懸かる御陵建設を控えるために自ら火葬を申し出られたことを引き合いに、「消費増税を国民に押しつけながら、豪華な赤坂宿舎の家賃をこっそり値下げした国会議員・・・」と酷評。さらに「陛下は・・・この国の象徴として威厳を保ち、伝統を守るほうが大切だ」と述べている。天皇陛下のお心にはただただ頭が下がるし、伝統を守ることに異論はない。しかし、その尊い想いと国会議員を対比することに違和感を覚える。
 まず、消費税は全ての国民に等しく負担を求めるもの、 国会議員も消費者なのだから 決して国民に押しつけるという発想ではない。また、 国家の行政と立法を司る国会議員に威厳は必要ないのだろうか。その仕事のためには、それなりの宿舎があってしかるべきだと私は思う。我々の代弁者なのだから、家賃など気にすることなく、しっかりと仕事をしてくれれば良いのではないだろうか。勿論それに値しない国会議員がいることも事実だろう。しかし、真に尊敬に足る国会議員がいることも事実だ。私たちの選んだ国会議員をそこまで卑しめ貶めることは、天につばするのと同じだと私は思う。