高橋はるみ北海道知事は、泊原発3号機(定期検査試験運転中)の営業運転を容認する方向だと16日の新聞が伝えています。但し、営業運転が「再稼働」にあたるか否かについて、政府から納得いく回答が得られることが条件としています。ここでまた新たな疑問がわいてきました。「再稼働にあたるか否か」の何が問題なのか。問題とするべきは安全性であって、再稼働ではない「運転の継続」であろうが、「再稼働」であろうが、現実には何も変わらないのではないかと私は考えます。

 3号機は震災前の3月7日から試験運転を開始し、北電は道民感情に配慮し営業運転の許可申請を見合わせている状態ですが、今でも営業運転と変わらないフル稼働状態で91万KWを発送電し続けています。道はその事実を知りながらこれまで何も言及せず、今更再稼働にあたるかどうかでその可否を決めるというのは、無責任とご都合主義といわれてもしかたがないと思います。本音は責任をとりたくないということなのでしょうが、これも国の安全基準がころころと変わってきたことで、容認した後にはしごを外されかねないとの不信感の表れなのではないかと思われます。

 知事の対応は高度な政治判断なのかもしれませんが、このような対応が「有権者に分かりにくい政治」となってしまうのではないでしょうか。

 何度も申し上げましたが、定期検査は従来の基準での安全運転のための検査。それに従って粛々と再稼働をするべきであり、それが危険というのなら、現在稼働中の原発も即停止して、新たな安全対策をとるべきです。